カクテルにもMSG?―「おいしい一杯」の秘密
今回は、アメリカ・コロラド州デンバー発のローカル系ニュース&カルチャーメディア、Westword(ウエストワード)に掲載された「The Newly Opened MAKFam Is Proud of Its Use of MSG」(2023年12月8日 / Helen Xu氏)という記事をご紹介します。
MSGを“あえて堂々と使う”レストランの姿勢と、その背景にある歴史や差別の話がとても考えさせられる内容でした。
ニューヨークに2023年11月オープンしたMAKfam(マックファム) という中華レストラン。
店内の壁には、こんなポスターが飾られています。
そして書かれている言葉は
“Monosodium glutamate: It’s better with MSG!”
(MSGがあった方がおいしい!)

MAKfamの共同オーナー、ドリス・ユエンさんはこう話します。
「子どもの頃、両親は家でMSGを使いませんでした。「外食しすぎるとMSGが多くて体に悪い」と言われて育ちました。」
夫でありシェフのケネス・ワンさんも同じ経験をしています。
彼の両親は香港からの移民で、小さな中華料理店を経営していました。
お客さんから「MSGは使ってますか?」とよく聞かれ、仕方なく「使っていません」と答えていたそうです。
実際には、多くのレストランでMSGは使われているのに、なぜか中華料理だけが悪者扱いされる。
このことに、ワンさんは疑問を持つようになったそうです。
ワンさんが料理学校でニューヨークに行ったとき、有名シェフからこう言われました。
「MSGは塩や砂糖、にんにくパウダーと同じ「普通の調味料」だよ」
レストランの厨房では、MSGは当たり前のように使われているという事実を知り、考え方が変わったそうです。
ユエンさんはこう語ります。
「ピザ屋さんに行って「MSGは入れないで」なんて言う人はいませんよね。でも、中華料理店では言われる」
調べていくうちに分かったのが、「MSGへの恐怖は科学ではなく人種的な偏見から生まれたものだった」という事実。
記事では、MSGについて丁寧に説明されています。
そして1959年アメリカFDAが「安全」と認定
その後もWHOなど多くの機関が安全性を確認
科学的には、ずっと安全だと証明されている調味料なのです。
1968年、医学雑誌に投稿された一通の手紙がきっかけで「中華料理を食べると頭痛がする。これはMSGが原因だ!」という話が広まりました。
これが「中華料理症候群」という言葉を生み、
というイメージが一気に拡散。
結果、多くの中華料理店が「当店はMSGを使っていません」と貼り出すようになったのです。
MAKfamは、
✔ MSGを隠さない
✔ むしろ誇りに思う
✔ 偏見にNOを言う
その象徴がMSGガールのポスターです。
これは単なる調味料の話ではなく、
が込められた、とても深いメッセージだと感じました。
この記事を読んで、改めて思いました。
MAKfamは、「おいしさ」と「誇り」を同時に取り戻そうとしているレストランなのだと思います。
参考記事
Helen Xu “The Newly Opened MAKFam Is Proud of Its Use of MSG” December 8, 2023






